2023/01/13 08:07

(このマズルの長いフレンチブルドッグのブリーダーは、オランダでHawbucks French Bulldogsという犬舎を運営しているシャンタル・ヴァン・クルイニングさんという女性)
短頭種の犬の健康問題はヨーロッパの獣医師会などを始め、多くの団体や自治体が改善と啓蒙に取り組んでいて、
フレンチブルドッグやパグらの犬種は、可愛らしさのみを追求した繁殖をした為、極端に短いマズルや平らな顔のせいで正常な呼吸が困難な犬が増え、運動能力が低下。
フレンチブルドッグは世界的に人気が高い分、影響を受ける犬の数も多くなった。
このような状況に心を痛め、フレンチブルドッグの再構築に挑戦したオランダのブリーダーが話題に。
マズルがほとんど無いフレンチブルドッグが、
ドッグショーのスタンダードになっていることに対する憤りや悲しみ、
大半の人がマズルの長い方が健康的に見えるというコメントを書き込んでいました。

シャンタルさんは獣医師助手として働きながら、

フレンチブルドッグのブリーディングに興味を持ち調べてみたところ、

見た目の可愛らしさの追求のために犬たちの健康が顧みられていないことにショックを受けた。

シャンタルさんは遺伝学を勉強し、この犬種に発生する障害を研究。

「ドッグショーではなく、犬の健康のためのブリーディング」という理念のもと、

人々が犬の見た目よりも健康に気を配るよう意識を変えていくことを目指す。

シャンタルさん自身、ブリーディングを始める前からフレンチブルドッグと暮らしており、

この犬種の情熱と愛情を持っています。

それだけに、フレンチブルたちがすぐにゼーゼーと息切れすることなく走ったり遊んだりできるようになって

欲しいと望んでいる。

呼吸をする時にフガフガと音がする、

眠っている時にはイビキをかく、

これらを「フレンチブルドッグでは普通」と考えている飼い主が多いことは、

ブリーダーたちが犬種の健康に関する情報をきちんと伝えていないせいだと、

シャンタルさんは不満。

彼女の犬舎の犬たちの身体検査の結果は遺伝子検査も含めてすべてウェブサイトに公開。

それぞれの検査や病気についての説明にもスペースが割かれています。

フレンチブルドッグの健康問題の中でも最も大きい懸念である呼吸障害を減らすためには、

気管と喉の空間が広く、鼻孔が開いていて、舌が長すぎたり厚すぎたりしないことが必要。

このような特徴を持つ犬を繁殖させることで、シャンタルさんは健康的なマズルを持つ

フレンチブルのブリーディングに成功。

オランダには政府が定めた

「マズルの長さが頭蓋骨の奥行きの3分の1に満たない犬は繁殖に使ってはならない」

という規制がある。

シャンタルさんの犬舎の成功のベースには、このような規制があったことも大きいと思われます。

犬種の健康を守るためには、法的な規制とブリーダーの努力の両方が必要である好例。

フレンチブルドッグだけでなく、人間が喜ぶ見た目のために動物の健康を犠牲にした繁殖がなくなるためには

一般の人々の意識も大切です。


《参考URL》
http://www.hawbucks.nl/franse-bulldog/en/
https://defused.com/breeder-reengineering-french-bulldogs/